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良い天気だった。 小田急線車内、乗客の1/4から1/3は登山(ハイキング)スタイルだった。 秦野駅でも渋沢駅でも大勢の登山者が下りた。 渋沢駅の北口に出ると表丹沢展望図そのままの稜線がくっきり見えた。 |
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| 表丹沢稜線がクッキリ | ||
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渋沢駅北口・文教堂書店の前でWaさんの車を待つ間、 大倉行きのバス停には電車が止まる度に長い列ができた。 臨時バスが次々に出て行列が消えてはまた延びる…を繰り返していた。 |
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| 臨時バスが次々に… | ||
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戸沢山荘前の河原も車でいっぱいだった。県外ナンバーの車も多かった。 河原でキャンプやバーベキューの準備をしているハイカーが多かった。 今年初めての沢登り、 沢靴代わりの運動靴を履きハーネスを着けると気持ちがピリッとした。 |
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| 河原もいっぱい | ||
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| 堰堤脇の… | 階段を登り | 書策新道に入る |
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書策新道は崩壊が激しく、現在は立ち入り禁止になっている。 この看板を過ぎ登山道が沢に近づく辺りで源次郎沢に入渓する。 堰堤のすぐ上に下りることができ、堰堤越えの煩わしさがない。 |
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| 書策新道入口付近 | ||
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源次郎沢は沢幅が広く明るい感じ。 装備はすでに整っているからそのまま歩きはじめる。 すぐに滝が見えてきた。脇にＦ1と書かれた看板がある。 Ｆとはfall(滝)のこと。下から順に1､2…と付けられている。 丹沢のよく歩かれている沢はFナンバーの看板があることが多く ガイドマップの遡行図は通常現地のNoで表わされる。 でも現地にかかげられているNoは5年前(2009/06/28)と違っている。 |
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| 源次郎沢入渓点 | ||
何を滝と見なすかは遡行者の考え方によって異なるだろうし、ましてや現地のNoでさえ年によって異なる場合がある。 (流された表示板を付け直したりで) 結局滝のNoはあいまいなんだけれど、何か目標がほしい。 ここでは「丹沢の沢を歩く」(高橋栄氏)や実際の目視を参考に記す。 |
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F1(4m) 4mと言っても 比べるものがなければ 高さが分かりにくい。 左の壁から落ち口に向かって登る Waさんと比べてみよう。 ホールドが豊富で 右からでも左からでも登れる。 |
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| F1(4m) | 左から登るWaさん | |
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右に黒っぽい滝が見えた。 この滝には思い出がある。 昔源次郎尾根の下降を間違えて、 この滝の上部に出たときのこと。 ロープは持っていなかった。 岩角や草の根を頼りにある意味強引に下降したのだった。 ※源次郎尾根 下降失敗(2001/09/16) |
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| 右に黒っぽい滝 | ||
| さてボクらは本流を進む。すぐに滝が現れる。下から順に5m、4m二条の滝、クラックを持つF2(5m) | ||
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| 5mは… | 右から快適に | 4m二条の滝 |
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F2(5m) クラックをもつF2(5m)は、 水流の右から取り付いた。 上部まで登り、 落ち口にトラバースするところは 高度感がある |
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| F2(5m) | 水流の右から | |
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この上はトイ状、階段状の滝が続く。 水流の右をトラバース気味に進んだが 上へ上へと登り過ぎ、 流れに戻ることがやっかいだった。 |
| トイ状の滝 | 階段状の滝 | |
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F3(4m) 写真・左上部に見える看板には 「ここは源次郎F4」と書かれている。 |
| F3(4m) | 看板の表示は… | |
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ゴーロ帯に入る。 前方の明るく開けたザレ場を 右にカーブすると…。 奥に滝が見えた。 |
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| ゴーロ帯 | 奥に滝 | |
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F4(10m) Waさんは中央に見えるリッジを登り右に回り込んで落ち口に出た。 ボクはリッジの左を大岩の下まで進み、左にくぐってから右に回り込んだ。 |
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| F4(10m) | ||
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わずかで二俣。 左の方が水量が多くて開けている。 右を見ると…、 奥に滝が見えた。 |
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| 明るくて雰囲気が良い沢 | 三段の滝を見る | |
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F5(2m､3m､8m) 三段の滝だった。 下の2段は容易。 問題は上段の8m。 |
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| F5(2m､3m､8m) | ||
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Waさんは流れを横切り 右の壁に取り付いた。 ホールドを探るWaさん |
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| 右を登る | ホールドを探る | |
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ボクは水流の左、乾いた岩に取り付いた。 ハング気味の岩を越えるとホールドもスタンスもがっちりしている。 今日はフリー。絶対落ちてはいけない。三点確保でジリッジリッ…。 巻き道のすぐ上に出た。 巻き道は落ち口に向かって傾いている。 F5上段は巻き道を使ったとしても、このトラバースが怖いかもしれない。 |
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| ボクは乾いた岩を登る | ||
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| ゴーロ | 小滝 | どこがF6か… |
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| 傾斜が次第に… | 急になってきた | 振り返れば新緑 |
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水の流れが消えてきた。 涸滝・F7、F8…も難なく通過。 ※このNoは5年前(2009/06/28)と異なっている。 番号が一つずつずれているのだ。 |
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| F7の表示 | F8の表示 | |
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F9(チムニー・5m) この滝も5年前はF8と表示されていた。(カーソルを重ねると2009/6/28の画像) 2005年発行の「丹沢の沢を歩く」(高橋栄氏)もF8と表示されている。 3年前(2011/06/25)はすでにF9という表示だったから 2009.6〜2011.6の間に何かの原因で付け替えられたのかもしれない。 倒木のある正面からも登ることができると言われているが、 ボクらは前2回と同じように右の壁を登った。 |
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| F9(5m) | ||
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F10(チョックストーン・8m) 手持ちの遡行図やガイドマップではF9と記されているが 先ほどがF9だったから、この滝は順番に記すとF10。 |
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| F10(8m) | ||
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スリングのかかる正面は 倒木がじゃまをして更に難しそう。 右の壁は登路を目で追っただけ |
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| 正面の壁に倒木 | 右の壁は目視だけ | |
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ボクらは滝の左から素直に高巻いた。 |  |
| 高巻きを登ってくるWaさん | 落ち口付近から振り返る | |
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| 岩壁 | 急傾斜 | ミツバツツジ |
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戸沢付近では濃かった緑が この周辺では淡い緑だった。 高度をずいぶん上げたのだった。 沢は 次第に源頭部の様相に変わってきた。 |
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| 芽吹き始めの淡い緑 | 源頭部の様相 | |
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笹原に出た。 ガレやゴーロを見慣れた目に 心休まる風景だった。 すぐ近くのサクラが満開だった。 淡いピンクが青空によく映えていた。 |
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| 笹原 | マメザクラ | |
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左へ、植林帯に入る。 かなり急な斜面の中に踏み跡を追う。 笹原とヒノキが混在する 雰囲気のよい尾根だ。 左方向から声が聞こえてきた。 登山道が近い。 |
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| 植林帯へ | 雰囲気の良い尾根 | |
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左上部に花立山荘が見えた。 登山道に出る。 行き交う登山者、休んでいる登山者の多さに驚く。 源次郎沢の遡行中、人っ子ひとり 誰にも会わなかったから…。 |
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| 花立山荘 | ||
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山荘の東側に回る。ザックを下ろして沢装備を解く。 軽い昼食を摂りながら山座同定。 富士山が薄〜く霞んでいた。 秦野峠の凹みの奥に一週間前訪れた大野山を確認できた。 |
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| 肉眼では薄く霞む富士山が見える | ||
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30分程過ごして下山。 よく晴れた日だった。 大倉尾根名物・階段尾根から秦野市街や相模湾が霞んで見えた。 もう午後だというのに登ってくる登山者がかなり多かった。 |
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| 大倉尾根を下る | ||
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| 蛙岩 | 休憩所付近 | 天神尾根分岐 |
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天神尾根を下る。 大倉尾根の賑わいに比べると静かだ。 しかし急下降急下降の連続。道もかなり荒れている。 左に沢音が聞こえてきてからもまだまだ下りが長い。 |
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| 天神尾根 | ||
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分岐からおよそ50分で天神尾根入口。車を停めた戸沢に14時10分。 今年初めての沢登りは無事に終わった。 初遡行にふさわしいよく晴れた日だった。 高度を上げるに連れて濃い緑から淡い緑へ、 変化していく緑の垂直分布が心を和ませた。 けれどそれ以上に、 絶対落ちてはいけないという緊張感が日常に埋没する精神をピリッと引き締めた。 最後まで詰め上げた経験が自信となって明日という日をまた頑張れそうな気がする。 車を出した上、一日を共に行動してくれたWaさんに感謝。 |
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| 戸沢 | ||
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